錦江幼稚園ではかなり昔から夏休みに保護者の方に「夏休みノート」の宿題が出ます。夏休みはただでさえ、子ども達のお世話が大変な期間です。朝ご飯を準備し、洗濯掃除が終わればまた昼ご飯準備に追われ、「さあ今日はどこに遊びに行く!?」と毎日子どもから誘われ、暑さの中疲れて帰宅すればまた晩御飯の準備という繰り返しが約40日間続きますよね。お母さんって本当に大変です。けれどもその大変さをわかりつつもこのノートをお願いするのです。特に乳児を抱えていらっしゃる方などただでさえ睡眠不足の中、申し訳ない気持ちもあるのですが、2学期がスタートした時にお友達と見せ合いっこをしている子ども達の姿を見ると、かけがえのないこの瞬間を形にして残すことは親子にとってとても大事なことと痛感するのです。子ども達はこれから成長の過程で親からの愛情を見えるもので確認したい時期が必ず来ると思います。そのような中で夏休みノートは世界でたった1つしかない、お金では買えない、その子だけのものとして残るのです。
以前年長組を担任した時のお話ですが、あるお母さんが「うちは主人が夏休みもなく、どこにも出かけないのでノートが書けません」と涙ながらにおっしゃったことがあります。夏休みノートはお出かけの記録ではありません。お出かけや旅行、イベントへの参加、子どもが欲しいものを与えることが愛情ではありませんから。日常の些細な子どもの言葉、成長、又お母さんが子を思うゆえの悩みなど、あくまで生活の中の、家庭の中での様子でいいのです。子どもが大人になった時、親になった時にきっと親の気持ちに共感し、愛情を受けて育ったことを感じることでしょう。卒園した子ども達が、時々このノートを見ていることを卒園生の保護者の方々からお聞きします。そして皆さん必ずこうおっしゃいます。「先生、あの時は大変やったけど書いてよかった!夏休みノート、絶対止めないでね」と。
今年も愛に溢れるノートをたくさん読ませていただきました。本当にありがとうございました。子ども達にとって愛されているという実感は何よりも生きる力となることでしょう。来年も是非よろしくお願い致します。

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